ドッグスポーツの種類によって、求められるアクティビティ・レベルは違うとイエシカ氏は、著書「犬と遊ぶレッスンテクニック」で言っている。例としてコーシングでは、競技前にはやる気が爆発状態とあるのが望ましいと。この競技のご褒美は、競技中に目の前を走る機械仕掛けの走るオモチャである。つまり、コーシングの望ましい興奮度はMAXレベルであり、その意欲を作り出す報酬は競技の中に存在することになる。

ドッグダンスはどうだろう? 競技レベルになると「究極のオビディエンス」と言われるこの競技が求められるアクティビティ・レベルは、「冷静にハンドラーからの 多くの 指示(キュー)を即座に実行する集中力があるが、やる気の満ちている」レベルといえる。熱い部分と冷めた部分の両方が必要とでも言えようか。
また正式な競技会ではオヤツもオモチャも使用できないので、ハンドラーと動くこと以外に犬の報酬はないこととなる。

ドッグダンスの場合、ハンドラーへの愛着がその出来栄えを左右する。ここで重要となってくるのが、「社会的なご褒美(人が存在して初めて価値が出るご褒美)」。例としてあげれば、引っ張り合いっこのおもちゃ(タグトーイ)である。食べ物は、人が介在しなくても報酬となりえるので、社会的ご褒美ではない。食べ物の報酬が無意味ということではなく、犬に「この人と一緒に作業するのが楽しい」と思わせる基本精神を構築するのに、オモチャで遊ぶことが不可欠と私は思っている。

日本の飼育頭数の9割を占める小型犬は、自分の経験上、特に愛玩犬種はおもちゃへの執着が弱く、競技会に臨ませたいと思う生徒さんのレッスンは、「おもちゃ愛・増大トレーニング」が必要となってくる。ボーダーコリーのメロディは、この点は犬種標準的な意欲を元々もっていて、なんなくクリアーできた。
自分はドッグダンスをするに必要なアクティビティ・レベルを最初に獲得してから、そのトレーニングを始めることを、重要と考えている。

かつてのパートナー犬・ トイプードルのオリオンは、このトレーニングに1年間を費やしている。

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