2020.6.24
犬の本能はアクセルにもトラブルにもなる
人間は強化したい本能(狩猟・追及など)が顕著な犬を選択交配して、自分たちの作業に有益なパートナーとして多くの犬種を作出してきた。
しかし本来の目的でない環境で犬を飼育すると、作業としては素晴らしくメリットがある犬の特長も、それが生かせない状況では、かえってトラブルとなることも多い。全く人の指示に従わない大型犬と生活を共にすれば、あらゆる事件が起こりうることが、容易に想像できる。
これだけインターネットが普及し、容易に情報が得られる社会になっても、その弊害を確認せず、自分のライフスタイルに合っていない犬種を飼育する人が日本では多いと感じる。見た目が自分の好みか否かで犬種を決定している。日本人が農耕民族で、犬の優秀さが生活向上と比例する狩猟民族でないことが大きな要因のように、個人的に思う。
小型犬であっても作業を目的に作出した犬種は、頭を使って体を動かして、任務を遂行するという強い本能があり、それがかなわない環境下では、ストレスから多くの問題行動が発生する。
ドッグ・トレーナーであれば、多くの人が所有を検討するボーダー・コリーを先代のイングリッシュ・コッカーが亡くなったとき、家族に迎えることを一度考え、辞めた理由がここにある。当時は近くに十分な運動を満足させる環境もなく、娘も小さく手がかかり、その優秀な性能からトレーニング結果が他の犬種より容易に早く出せることは知っていたが、断念した。
また、日本の犬の9割は小型犬といわれる状況で、実際求められるのは、優秀な作業犬種のハンドリングではなく、家庭犬として幸せな犬生を送る方法を、飼い主にも犬にも広めることと考えた。
2年前に念願のボーダーを迎えて、改めて、作業意欲(走りたい! 捕まえたい!)の強さを実感するとともに、頭脳明晰さに感心、その桁外れなエネルギーを実感した。家庭にいても、実に細やかに飼い主の意図がくみ取る能力にも驚かされる。飼い主の視線の動きからもいろいろなことを類推している。
ボーダーコリーは牧羊犬(羊を人の指示に従ってまとめる。決して傷つけてはいけない)であり、この本能を最大限に生かしたスポーツがシープ・ドッグということで現在挑戦中である。
初心者なのであまり深いことは言えないが、「羊を追いかけまわしたい!」という犬の本能を自制しつつ、ある意味修行のような内容が、犬はもちろん人のメンタル強化に役立っている。
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