ドッグダンスは、老犬や障害のある犬もできるバリアフリーな競技として、万人ならぬ万犬が可能なドッグスポーツと言えるが、トレーニングの組み立て(カリキュラム)には、注意が必要である。自由にハンドラーが演技内容を決定出来るということは、犬の可能性を増進も減退も可能な諸刃な競技なのである。

日本の場合多くの愛玩犬種がドッグダンスに参加、つまり
ワーカホリック犬でない犬種も楽しんでいるが、自信をつけてやる気を起こすという追加・トレーニングが非常に必要と私は常々考えている。競技時間が他競技より長く、集中力の維持が難しいという観点もから大事。


昨春CIオビディエンス大会の世界チャンピオン、ミリアム・ソンダーガー氏を招聘しセミナー開催した時の、印象に残ったエピソードがある。
セミナーの翌日、私のドッグダンス競技会の見学を依頼したところ、「ドッグダンスは見ていて飽きるから途中で早退したい」という希望があった。
しかし当日になると「こんなに小型犬も混じって様々な犬種が出る競技会を見るのは初めて。とても面白い!」と最後まで笑顔で審査員席に座っていた。


ミリアムは自宅でボーダーコリーの他、チワワも飼っているので、「チワワで競技会にエントリーしないのか?」と質問したところ、「冗談を言わないで」と一笑された。自分も海外の競技会に出場経験があるが、服従訓練やドッグダンス大会ではミリアムの言葉どおり小型犬がエントリーすることは少ないのである。

また海外講師のセミナーを受講して感じるのは、彼らのトレーニング方法は作業犬種向けということ。それ以外の犬種、特に愛玩犬種にそのまま当てはめてトレーニングを進めるのは、内容によってはうまくいかない。

アジリティのようにバーの高さによって競技部門が分かれ、小型犬と大型犬が同一部門と競わない環境と違い、ドッグダンスは全犬種、その訓練方法が同一と誤解しがちである。

また小型犬は、複数競技をやればやるほど、習得できる水ガメは満杯になりやすい、間違えやすいということを忘れないこと。もしそのようなチャレンジをする場合、ハンドラーの工夫が必要である。うちのオリオン(トイプードル)を例にとると、基礎トリックの一つ「お辞儀のポーズ」は服従訓練の「伏せ」と動きが似ているため、伏せが1000%(笑)確実に理解できるまでは教えなかった。

FCIドッグダンスの競技規定に、「ルーチン(演技内容)は、犬の質(犬種、性格、身体能力、精神能力等)を強調しているか?」という審査項目があるのも、犬の健康維持の観点からオーバーキャパシティにならない配慮がされているように思う。

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